はるな の 生活

新米妻のはるなの日々の生活を綴ってます。生存報告〜〜!(ピンドラ風に

カラフル

今回は、森絵都さんのカラフルを読了したのでその感想を。

2011年に映画化もされたこの作品。

映画を観たか観てないか忘れてしまったんですが、原作は確実に読んでませんでした。

気軽に読める作品で、少し何か読みたいな、と思った人はぜひ手にとってほしいです。

カラフル (文春文庫)

カラフル (文春文庫)


あらすじは、生前の罪で輪廻サイクルから外されたぼく。だが天使業界の抽選に当たり、自殺を図った少年の体へホームステイし、全く別人生の新生活が始まる、というもの。


真という人生を歩んでいく中で印象に一番残ったところは、以下の箇所。

美術室で、「ひろか、変なの、頭おかしいの」というひろかに、真が言う台詞

「この世でもあの世でも、人間も天使もみんなへんで、普通なんだ。頭おかしくて、くるってて、普通なんだ。」


自分のことになると、他人とは違うから、生きづらかったり、ずれてたりって自信を失くす人、多いと思います。わたしがその筆頭。笑

こんな生き方してるなら、死んだ方が迷惑かからないんじゃないかなって思うときもあるけど、それでもその身体で生きているのは貴方で、しあわせにするのも、貴方。


他人事だと、行動や発言に気をはらず生きれても、自分の事となると、自信がなく不安になりのびのびと生きられない。

でも、そんなことで人生つまづくのはもったいないのかなって。せいぜい数十年の人生、ホームステイだと思って好きに生きればもう少し楽になるんじゃないかな。


そのあとに続く、「人は自分でも気づかないところで誰かをすくったり傷つけたりしている。

この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている。

どれがほんとの色だかわからなくて。

どれがじぶんの色だかわからなくて。」


一色だと思っていた出来事も、角度次第ではどんな色だって見えてくる。真や母や父や満や登場人物たちがいろいろな視点でいろいろな現実を見ている。だからカラフル。けれどこの作品においてその視点は、交わらない。いろんな人のそのときの気持ちにきちんと向き合って知っていく。それがこの作品のいいたいことかなって。

ドス黒い心も、真っ白にピュアな心も、どんな色もあっていい。自分はこんな色だからと決めつけるには時期尚早、多分だれもそんなことは一生かかってもわからないんだろうな、と。


自分を変えられるのは自分だけであり、その手段は視野を広げれば視えてくる筈だから。

カラフル 【通常版】 [Blu-ray]

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